
「筋トレを始めたけど、BIG3ってどの順番でやるのがいいの?」
「自分に合った重さが分からず、なかなか効果を実感できない…」
「重量を伸ばしたいけど、どうすればいいか分からない…」
筋力トレーニングに励む多くの方が、一度はこのような疑問や悩みにぶつかります。特に、筋トレの王道とも言われる「BIG3」は、その効果の高さから多くのトレーニーが取り入れていますが、正しいやり方を理解しないままでは、効果が半減してしまうどころか、怪我のリスクも高まります。
この記事では、筋トレBIG3の効果を最大限に引き出すための「効果的な順番」「目的別の正しい重量設定」「停滞を打破して成長し続けるためのコツ」について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたのBIG3トレーニングに関する疑問はすべて解消され、自信を持って日々のトレーニングに臨めるようになっているはずです。さあ、一緒にトレーニングを次のレベルへと進めましょう。
そもそも筋トレの「BIG3」とは?

まず基本のおさらいです。筋トレにおける「BIG3」とは、以下の3つのトレーニング種目を指します。
- スクワット: 「キング・オブ・トレーニング」とも呼ばれる下半身の代表的な種目。
- ベンチプレス: 主に大胸筋を鍛える上半身の代表的な種目。
- デッドリフト: 背中から脚まで、全身の裏側を総合的に鍛える種目。
これら3種目が特別に「BIG3」と呼ばれ、重要視されるのには明確な理由があります。それは、3種目すべてが「コンパウンド種目(多関節運動)」であるという点です。
コンパウンド種目とは、複数の関節と多くの筋肉を同時に動員する運動のこと。例えばスクワットでは、股関節、膝関節、足関節が動き、お尻(大殿筋)、太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)、体幹など、非常に多くの筋肉が一度に鍛えられます。
▼ BIG3が重要視される理由
- 効率性: 一度に多くの筋肉を鍛えられるため、全身の筋力・筋量を効率よく向上させることができます。
- 身体機能の向上: 日常生活やスポーツにおける基本的な動作(立つ、座る、持ち上げるなど)のパフォーマンスが向上します。
- ホルモン分泌の促進: 高重量を扱うことで、筋肉の成長に欠かせないテストステロンや成長ホルモンなどの分泌が促進されやすいと言われています。
BIG3は、ただ体を大きくするだけでなく、動ける機能的な体を作るための基礎となる、まさに最強のトレーニングメニューなのです。
永遠のテーマ?BIG3の効果的な順番

BIG3を1回のトレーニングで行う場合、多くの人が悩むのが「どの順番で行うか」という問題です。結論から言うと、最も一般的で推奨される順番は以下の通りです。
① スクワット → ② ベンチプレス → ③ デッドリフト
この順番が推奨されるのには、「疲労度」と「安全性」という2つの大きな理由があります。
理由1:疲労度の高い種目から行う原則
トレーニングの基本的なセオリーは、「体力的・精神的に最もきつい種目から行う」ことです。
- スクワットは、全身の筋肉を最も多く動員し、体幹の安定も要求されるため、非常に高い集中力と体力を消耗します。エネルギーが満タンの状態であるトレーニングの最初に行うことで、質の高いトレーニングが可能になります。
- ベンチプレスは、上半身中心の種目であり、スクワットに比べると全身の疲労度はやや低くなります。
- デッドリフトも全身運動で疲労度は非常に高いですが、特に脊柱起立筋など体幹部の疲労が他の種目に与える影響が大きいため、最後に行う方が安全かつ効率的と考えられています。疲労した状態でデッドリフトを行うとフォームが崩れやすく、腰を痛めるリスクが高まります。
理由2:安全性の確保
トレーニングにおいて、安全性は何よりも優先されるべきです。
- 疲労困憊の状態で高重量のスクワットを行うのは、バランスを崩して転倒したり、バーベルを落としたりする危険性が非常に高まります。体幹が安定しているトレーニング序盤に行うことで、怪我のリスクを大幅に減らすことができます。
- 一方、デッドリフトは万が一挙がらなくなっても、バーベルを床に落とすことができるため、3種目の中では比較的安全に対処しやすい種目です。そのため、体力が消耗したトレーニングの最後に行われることが多いのです。
【補足】目的によっては順番を変えることも
基本は「スクワット → ベンチプレス → デッドリフト」ですが、「優先部位を最初に行う」という考え方もあります。例えば、「今日は特に胸を重点的に鍛えたい」という日であれば、ベンチプレスからトレーニングを始めるのも有効な戦略です。
ただし、筋トレ初心者の方は、まず基本の順番を徹底し、正しいフォームと体力を身につけることを最優先しましょう。
【目的別】BIG3の正しい重量設定とレップ数

「一体何kgの重さでやればいいの?」これもまた、多くの人が抱える悩みです。重量設定は、あなたのトレーニングの目的によって大きく変わります。
その基準となるのが「RM(アールエム)」という考え方です。
- RM (Repetition Maximum) とは?
- 「最大反復回数」を意味します。例えば「10RM」は、「ギリギリ10回反復できる重量」ということです。
- そして「1RM」は、「ギリギリ1回だけ挙げられる最大重量」を指します。
この1RMを基準に、目的に合った重量と回数(レップ数)を設定するのが一般的です。
あなたの1RMを知る方法
安全に1RMを知るためには、実際に1回ギリギリの重量に挑戦するのではなく、複数回できる重量から計算式を使って推定する方法がおすすめです。
【1RM推定計算式(Epley法)】 1RM=使用重量×(1+(反復回数÷30))
例えば、80kgのベンチプレスを10回できた場合、 1RM=80×(1+(10÷30))≈106.7kg となり、あなたの1RMは約106.7kgだと推定できます。
目的別トレーニングプログラムの例
あなたの推定1RMが分かったら、それを基に以下の表を参考にプログラムを組んでみましょう。
目的 | 重量設定(1RM比) | レップ数(回) | セット数 | インターバル |
---|---|---|---|---|
筋肥大 (体を大きくしたい) | 70%~85% | 8~12回 | 3~5セット | 60秒~90秒 |
筋力向上 (パワーUP) | 85%以上 | 1~5回 | 3~5セット | 2分~5分 |
筋持久力向上 (バテにくく) | 60%~70% | 15回以上 | 2~3セット | 30秒~60秒 |
初心者のための重量設定ガイド
もしあなたが筋トレを始めたばかりなら、重量よりもフォームの習得を最優先してください。最初はバーベルのバーだけ(20kg)や、非常に軽い重量で、各種目の正しい動きを体に覚えさせることが何よりも重要です。
目安としては、「少しきついけれど、正しいフォームを維持したまま10回3セットが余裕をもってできる」重量から始めましょう。焦りは禁物です。
停滞を打破!重量を伸ばしていくための「プログレッシブ・オーバーロード」

毎回同じ重量、同じ回数でトレーニングを続けていると、体はその負荷に慣れてしまい、成長が止まってしまいます(停滞)。筋肉を成長させ続けるには、常に「前回よりも少しだけ強い負荷」を筋肉に与え続ける必要があります。
この原則を「プログレッシブ・オーバーロード(漸進性過負荷の原則)」と呼びます。これは筋トレにおける最も重要な原則の一つです。
具体的には、以下の方法で負荷を少しずつ増やしていきます。
- 方法1:重量を増やす
- 設定したレップ数をクリアできたら、次回は最小単位のプレート(例:1.25kg)を両端に追加して、重量を増やしてみましょう。
- 方法2:回数を増やす
- 同じ重量のまま、前回よりも1回でも多くこなすことを目指します。
- 方法3:セット数を増やす
- 同じ重量・回数で、セット数を1つ増やしてみます。
大切なのは「昨日より今日、今日より明日」と、ほんの少しでも成長しようと意識することです。焦らず、着実に負荷を上げていくことが、停滞を打破し、長期的な成長につながる鍵となります。
BIG3の効果を最大化するための重要ポイント
最後に、BIG3の効果を最大化し、安全にトレーニングを続けるための重要なポイントを3つご紹介します。
- 正しいフォームの習得
- これが最も重要です。間違ったフォームは効果がないだけでなく、腰や肩、膝を痛める原因になります。鏡で自分のフォームを確認したり、スマートフォンで撮影したり、可能であれば経験豊富なトレーナーに一度は見てもらうことを強く推奨します。
- 十分な休息と栄養
- 筋肉はトレーニング中に壊され、休んでいる間に栄養を取り込んで修復されることで成長します(超回復)。トレーニングと同じくらい、休息と栄養が重要です。特に、筋肉の材料となるタンパク質を意識した食事と、質の高い睡眠を心がけましょう。
- ウォーミングアップとクールダウン
- トレーニング前には軽い有酸素運動や動的ストレッチで体を温め、血流を良くすることで、パフォーマンス向上と怪我予防につながります。トレーニング後には静的ストレッチなどでクールダウンし、筋肉の回復を促しましょう。
まとめ:正しい知識でBIG3を制覇しよう!
今回は、筋トレBIG3の効果的な順番と重量設定について詳しく解説しました。最後に、この記事の要点をまとめます。
- BIG3とは?
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目。全身を効率よく鍛える最強のトレーニング。 - 効果的な順番は?
原則として「①スクワット → ②ベンチプレス → ③デッドリフト」。疲労度と安全性を考慮した順番。 - 重量設定は?
「RM」を基準に、「筋肥大」「筋力向上」など目的に合わせて重量と回数を調整する。初心者はフォーム優先で。 - 成長の秘訣は?
「プログレッシブ・オーバーロード」の原則に従い、少しずつ負荷を上げていくこと。
BIG3は正しく行えば、あなたの体を劇的に変化させる可能性を秘めています。しかし、それは正しい知識に基づいた実践があってこそ。
ぜひ、この記事を参考にして、今日からのトレーニングに活かしてください。まずは焦らず、正しいフォームの確認から。安全に、そして着実に、理想の体を目指していきましょう!
コメント