
「新しいスマートフォンやパソコンが欲しいけど、スペック表に書いてある『ROM』や『RAM』って何が違うの?」
「容量が大きい方が良いとは聞くけど、具体的にどう影響するのかわからない…」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。ROMとRAMは、スマホやPCの性能を左右する非常に重要な要素ですが、その違いは少し分かりにくいかもしれません。
しかし、ご安心ください。この記事を読めば、ROMとRAMの役割の違いがスッキリと理解でき、ご自身の使い方に最適な一台を見つけるための知識が身につきます。専門用語をできるだけ使わず、身近なものに例えながら丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
ROMとRAM、一言でいうとこんな違い!

まず、結論からお伝えします。ROMとRAMの最も分かりやすい例えは「本棚と机」の関係です。
- ROM (ロム) → 本棚 (データを長期保存する場所)
- RAM (ラム) → 机 (作業するためのスペース)
想像してみてください。たくさんの本(データ)をしまっておくには、大きな本棚 (ROM) が必要ですよね。そして、本を読んだりノートを書いたりする作業を快適に行うには、広々とした机 (RAM) があると便利です。
スマホやPCもこれと全く同じです。 ROMの容量が大きければ、たくさんのアプリや写真、動画を保存できます。一方、RAMの容量が大きければ、複数のアプリを同時に使っても動作がスムーズになります。
この「本棚と机」のイメージを頭の片隅に置きながら、それぞれの役割をもう少し詳しく見ていきましょう。
データを保存する「本棚」こと「ROM」とは?
ROMは「Read Only Memory(リード・オンリー・メモリ)」の略です。直訳すると「読み出し専用の記憶装置」となりますが、現在ではスマホやPCに搭載されているROMはデータの書き込みや削除が可能なものが主流です。
専門的には「フラッシュメモリ」と呼ばれる種類のものが多く、スマホやPCの世界では「ストレージ」という言葉で呼ばれることもあります。スペック表に「ストレージ:128GB」とあれば、それはROMの容量を指しています。
ROMの役割:電源を切ってもデータが消えない記憶装置
ROMの最大の特徴は、電源を切っても保存されているデータが消えないことです。そのため、長期的にデータを保管する役割を担っています。
【ROMに保存されるデータの例】
- OS (iOSやAndroid、Windowsなど)
- インストールしたアプリ
- 撮影した写真や動画
- ダウンロードした音楽ファイル
- 連絡先や各種設定
まさに、様々なデータが詰め込まれた「本棚」そのものですね。
ROMの容量が大きいと何が良いの?
ROMの容量が大きければ大きいほど、たくさんのデータを保存できます。
- メリット:
- 高画質な写真や長時間の動画を気兼ねなく保存できる。
- たくさんのゲームアプリや便利なアプリをインストールできる。
- OSのアップデート時にも容量不足の心配が少ない。
逆にROMの容量が小さいと、「空き容量が不足しています」という警告が表示され、新しい写真が撮れなくなったり、アプリのアップデートができなくなったりといった不便が生じます。
作業をスムーズにする「机」こと「RAM」とは?

RAMは「Random Access Memory(ランダム・アクセス・メモリ)」の略です。スマホやPCが何らかの処理を行う際に、一時的にデータを置いておくための作業スペースの役割を果たします。
CPU(中央処理装置)という「スマホの頭脳」が、ROMという「本棚」からアプリやデータを取り出し、RAMという「机」の上に広げて様々な作業を行う、とイメージすると分かりやすいでしょう。
RAMの役割:アプリを動かすための一時的な作業スペース
RAMの最大の特徴は、ROMとは対照的に電源を切るとデータが消えてしまうことです。あくまで一時的な作業場所なので、作業が終われば机の上は片付けられます。
机が広ければ(RAMの容量が大きければ)、たくさんの資料や本を同時に広げて効率的に作業できますよね。これと同じで、RAMの容量が大きいと、複数のアプリを同時に立ち上げたり、Webブラウザで多くのタブを開いたりしても、動作が重くなりにくくなります。
RAMの容量が大きいと何が良いの?
RAMの容量が大きいことによる最大のメリットは、スマホやPCの動作が快適になることです。
- メリット:
- 複数のアプリを切り替えながら使っても、動作がカクカクしにくい。
- 高画質なゲームや動画編集アプリなど、処理が重いアプリもスムーズに動く。
- Webサイトの表示やアプリの起動が速くなる傾向がある。
もしRAMの容量が不足していると、作業スペースが足りなくなり、アプリが強制終了してしまったり、文字入力が遅れたり、画面が固まってしまったりといった「動作が重い」と感じる原因になります。
どのくらいのRAM容量が必要?用途別の目安
では、実際にどれくらいのRAM容量があれば快適なのでしょうか。一般的なスマートフォンを例に、用途別の目安をご紹介します。
- 4GB~6GB:
- LINEやメール、Webサイトの閲覧、SNSが中心のライトユーザー向け。
- 基本的な操作は問題ありませんが、複数のアプリを同時に使うと少しもたつきを感じる場面があるかもしれません。
- 8GB:
- 動画視聴や、少しグラフィックが綺麗なゲームも楽しみたいミドルユーザー向け。
- 現在の標準的な容量で、ほとんどの人がストレスなく使えるバランスの取れた容量です。
- 12GB~16GB以上:
- 最新の3Dゲームを最高画質でプレイしたり、動画編集をしたりするヘビーユーザー向け。
- あらゆる操作が非常にスムーズで、将来的に長く快適に使いたい人におすすめです。
ROMとRAMの違いを表で確認
ここまでの内容を、比較表で整理してみましょう。
ROM (ストレージ) | RAM (メモリ) | |
---|---|---|
役割 | データの長期的な保存 | 処理のための一時的な作業 |
例え | 本棚 | 机 |
データの永続性 | 電源を切っても消えない | 電源を切ると消える |
容量の目安 | 128GB / 256GB / 512GB など | 6GB / 8GB / 12GB など |
不足すると… | 新しいデータが保存できなくなる | 動作が遅くなる、アプリが落ちる |
大きいと… | 写真やアプリをたくさん保存できる | 複数のアプリを同時に使っても快適 |
初心者がスマホ・PCを選ぶ際のチェックポイント

ROMとRAMの違いが分かったところで、最後にあなたがスマホやPCを選ぶ際にチェックすべきポイントを解説します。最も大切なのは、「自分が何をしたいか」を明確にすることです。
ROM容量を選ぶポイント
- 写真や動画をたくさん撮りますか?
- YESなら、256GB以上の大容量モデルが安心です。特に動画は容量を多く消費します。
- ゲームアプリをたくさんインストールしますか?
- YESなら、同様に256GB以上をおすすめします。最近のゲームは数十GBに及ぶものも珍しくありません。
- あまり保存しない、クラウドをよく使う
- 128GBでも十分かもしれません。GoogleフォトやiCloudなどのクラウドサービスを活用するのも賢い方法です。
RAM容量を選ぶポイント
- 複数のアプリを頻繁に切り替えて使いますか?
- YESなら、8GB以上あると快適な操作性が保てます。
- 処理の重い3Dゲームや動画編集に挑戦したいですか?
- YESなら、12GB以上のモデルを選ぶと良いでしょう。
- 長く快適に使いたいですか?
- 将来のOSやアプリのアップデートを考えると、少し余裕のあるRAM容量(8GB以上)を選んでおくのがおすすめです。
まとめ
今回は、スマホやPCの基本である「ROM」と「RAM」の違いについて解説しました。
- ROMはデータを保存する「本棚」
- RAMは作業をするための「机」
この2つの違いを理解するだけで、スペック表の数字が持つ意味が具体的にイメージできるようになります。ご自身の使い方を想像しながら、「どのくらいの本棚の大きさが必要で、どのくらいの机の広さがあれば快適か」を考えることが、賢いスマホ・PC選びの第一歩です。
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